地震直後には2200名の人口の内1500人あまりが避難生活をしておりましたが、3月21日を持って避難勧告が解除され、ようやく家屋の片付けが始まりました。
家庭からでたゴミや家具などの壊れた家財道具の受け入れ場所も今日から搬入が可能になり、少しづつではありますが復興の兆しが見えてきました。
その中で、家は大丈夫なのに帰れないお宅もあります。温泉施設「トマトの国」の裏山が大規模な崩落を起こし、雪崩と共に村に押し迫っており、当社で平成14年に建てさせていただいた中条のお宅も家に入ることが出来ない状態です。
国道から見ると高台に建つ3階建てのお宅で、連絡もとれず、心配をいたしましたが、建物は大丈夫でした。ただ家具や建具が倒れていたり階段室の壁のビニールクロスが切れていたのが残念でした。
部屋は片付ければ直ぐにでも泊まれる状態ですが、水が出ないのと土石流の心配で、まだまだ避難生活が続くようです。
横倉で平成15年に建てさせていただいた2階建ても建物は大丈夫でした。ただ、村の状態や建物内部の家具や建具の転倒具合を見ると、これで震度6強か思うほど揺れたように見えました。
例えばドアが兆番から上に飛び跳ねて倒れていたり、固定されていたFF暖房機やエアコンまで外れていました。
2階建て住宅は3階建てにに比べると、揺れは弱く被害も少ないと思っておりましたが、それだけ大きな揺れがあったということです。
この地域は地盤が弱く、このお宅でもコンクリート杭を打って頑丈な基礎をつくりましたので、不動沈下等は見られませんでしたが、建物の周りの雪が崩れ落ち、1階のサッシのガラスが1箇所割れてしまいました。
その状態を見たのか?応急危険度判定は黄色の要注意判定でした。私も納得できずに問い合わせましたが、「立ち入る際に注意してください」という表示なので気にしなくても良いとのこと。
しかし、本来なら黄色紙の特記事項に、「ガラスが割れていますので注意!」とか記入しなくてはならないのですが、それも書いてありませんでした。
また、ボランティアセンターに登録をしてで片付け作業に出る時に、「赤紙の家にボランティアは入ってはいけない」と言われましたが、赤紙が貼ってあっても、それほど危険な住宅でない場合も多くあります。その中で家の人が協力を求めているのに「赤紙だから入れません」などとはなかなか言えないものです。
また、本日から廃棄物の中間処分場がオープンしましたが、ボランティアが車を持ち込んでの運搬は禁止されており、積み込み作業だけのお手伝いになるようです。
支援を要請している方の中には、老人だけの住まいも多く、軽トラックを持っていなければ片付けようがありません。