東日本大震災、その傷跡をどうしても見てみたい・・・という思いは2年前からありましたが、流石に被災者の気持ちを考えると直ぐには行けないと思いました。今回、建設会社の技術屋として、やっぱり見てみたいという意見が多く、復興応援の研修旅行という形で実現しました。
4月13日土曜日、会社を7時に出発、桜の開花を見ながら仙台を目指しました。最初の震災復旧視察は閖上大橋付近で高速道路の海側と山側では別世界の光景が続きます。
町の中心部と思われる所に、小高い築山があり、その上に神社が祭られてありました。神社は津波で流され、新しい神社に替わっておりましたが、この高台から見る光景は一面の荒涼とした世界です。
町並み跡をよく見ると塀だけ残して住宅の基礎は見当たりません。それだけに、本当に此処に町があったのか?と思うほど生活感が無い光景でした。
周囲には鉄骨の水産加工工場と思われる建物も残っていましたが、無残な姿になっていました。道路には街灯の柱が引きちぎられ、津波の凄さを実感しました。
道路を走ると、至る所に廃棄物の山が見えます。2年も経っているので被災地の片付けは進んでおりますが、まだまだ処理が進んでいないのが現状のようです。
2日目は石巻市内の震災復旧の様子を視察しました。どちらも復旧など全然進んでいないのが現状でしたが、バスで回っているうちに慰霊台のある所に停め手を合わせてきました。
当社の土木課長は十日町八海山の先達を勤めておりますので、東日本大震災の復興祈願を行き先々で唱えて来ました。
慰霊台の前ではテントで鯨の缶詰や海苔など名産品などが販売され、社員全員で大量に購入してきました。また近くでは焼き蕎麦「味平」さんも営業しており、待っている間に、店主の悲惨な体験をお聞きすることが出来ました。
仮設店舗には津波で被災された当時の写真や元の美しい町の様子などが掲示されていました。
私が気になった写真は女川の被災写真です。コンクリート建物が横に倒れていますが、よく見ると杭が切れているのが解ります。PC杭が打ってあり、基礎と定着しているのにその基礎の下からスッパリと切れるなんて、本当に凄まじい破壊力です。
土産物をいっぱいバスに積み込み乗車すると、仮設店舗のおかみさんがバスに駆け寄り、記念の壁掛けをいただきました ・道の途中 花のようなお地蔵さん「ちょっと一休み」風吹き 雲流れ あすはいい日ー・
あの震災から、怒涛のような2年が過ぎ「ちょっと一休み」いろんなことがあったけど、明日はいい日と思いたい!そんな心情でしょうか?今朝会社に飾らせていただきました。
景勝地松島にも寄りました。ここも被害にあったようですが、いち早く復興し遊覧船など観光客で賑わっていました。
最後の買い物に塩釜中卸市場に寄り、またまたお土産を積み込み、最後の仕上げは高速パーキングでまとめ買い。
たった2日間の視察で、被災者の想いや本当の大変さも解りませんが、テレビでは感じなかったものが、少し感じとれたと思う研修旅行でした。時間があれば、少しはボランティアでもやってくれば良かったと思うのですが、駆け足で回った2日間でした。
まずは現地を見て、食事をし、お土産をいっぱい買って帰る、そんな支援もあって良いかと思い、また、建設関係者として次に生かされるものは何なのか?そこをこれから考えて行きたいと思います。